フィンランド幼児教育視察ツアーレポート(8)

2019年5月の連休は、「幸福度ランキング1位 ムーミンの国フィンランドの幼児教育を学ぶツアー」でした!WAPJ社長のやっくんからのツアーレポートです!



◆2019年GW 幸福度ランキング1位 ムーミンの国フィンランドの幼児教育を学ぶツアー⑧◆ 2019年4月30日火曜日 モンテッソーリ保育園訪問
ホテルのロビーに朝8時45分に集合して出発!



本日午前中は、タンペレ市の中心街にあるモンテッソーリ教授法で幼児教育&保育を行っている公立の保育園のグループを訪問。タンペレ市には、この園のようにモンテッソーリ教育を行っているグループがある公立の保育園が3ヶ所あります。



◆参加者のレポートはこちら
午前中はモンテッソーリ教育を導入している公立の保育園を訪れました。モンテッソーリ教育を行う保育園は、教具が高価であることや特別な研修を修了した人しか教員になれないことなどから、保育料が高くなる傾向にあります。しかし、タンペレ市では3つの公立の保育園でモンテッソーリ教育が行われていて、保育料は他の園と同額とのこと。モンテッソーリに興味のある保護者は、遠方からでも通わせるのだとか。

モンテッソーリ教育の「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という考えを基に、大人はやってあげることはせず、子ども自身ができるようにサポートしていました。担任の先生はタスク中、基本的には定位置の椅子に座って子どもたちを観察しています。手助けが必要な時には子どもから声を掛けます。先生がその椅子にいない時は、先生が戻ってくるまでその椅子に座って待つため、「先生―!」と叫ぶ様子は一切目にしません。

モンテッソーリ教具を使った「タスク」に取り組む上での約束は2つ。1つ目は、タスクに取り組んでいる子の邪魔をしないこと。先生が「よくできているね」などと褒める声掛けも禁止です。いつもの先生が見知らぬ外国人(私)たちと話をしていても、割り込んで話しかける子どもは1人もいませんでした。2つ目は、使い終わった教具は元の位置に戻すことです。整理整頓された教室は不要なものが1つも机に置かれていない状況で、集中しやすい環境なのがよくわかりました。また、子どもたちが自分で片付けやすいように、それぞれの収納場所は余裕のあるスペースが使われていました。教室の備品、教具、掲示物、壁時計すべてが子どもたちの目線の高さにあることも、子どもたちが自分自身で行動できるようにするための工夫だそうです。



また、全てのタスクはその目的が明確で具体的なため、取り組む様子を見て発達の遅れがあるなど特別な支援の必要有無が判断できます。支援が必要だと思われた場合は、特別幼児教員を呼んで観察してもらい、ネウボラの保健師へ提出される報告書にも記載され、必要な支援を必要なスタイルで受けられるよう連携をとるそうです。

モンテッソーリ教育の保育園を卒園した子は、モンテッソーリ教育が行われているエシコウル(就学前教育)そして基礎学校へ進みます。自分で考えるようになる工夫がたくさん込められているタスクを遊び感覚で続けていくことによって、創造性が豊かで自立した子どもに育つ上、5歳くらいには自然と(特に読む練習をしなくても)文を読めるようになるということには驚きました。



日本でもモンテッソーリ教育を取り入れている保育園等はありますが、質の高い教育、受けさせたい教育を経済面の心配なく選べるのはフィンランドらしいと思いました。