フランスオーペアの体験談!
フランスオーペアの貴重な体験談が届きました!
オーペア体験談(フランス)
赤崎 百さん
私は、2018年9月7日から2019年7月6日までの10ヶ月間、フランスのアンヌマスというところでオーペア留学をしました。
オーペア留学とは、ホストファミリーの子供たちの面倒をみながら、語学学校に通い、その家に住ませてもらい、食費、光熱費などを負担してもらえる上に、お給料を貰える、という留学制度です。
私がいたアンヌマスはとても小さな街ですが、スイスの国際都市ジュネーブからとても近く、国境までは歩いて15分、ジュネーブの中心地まではトラムを使って30分程で着くことができます。私がここで経験したこと、ファミリーとのことについて、お話しします。
【オーペアの仕事について】
私のファミリーには、3歳の女の子と5歳の男の子の2人の子供がいました。
・仕事内容
7:30 子供達を起こしにいく
朝ごはんを食べさせて、着替えなど身支度をさせる
8:15 家を出て、学校へ送る
16:30 子供を迎えに行く
おやつを食べ、公園や家で遊ぶ
18:00頃 お風呂に入れる(週2、3回)
19:00頃 パパかママが帰宅し、仕事終了
大体の流れはこのような感じでした。
火曜日は空手がある為、17:00に迎えに行き、そのまま空手に連れて行き、水曜日は学校が午前で終わる為、お昼を作り、11:30に迎えに行き、そこからずっと一緒にいるなど、イレギュラーな日もあります。
親が帰ってくるのが遅く、寝かせるところまでやる日もあり、逆に早く帰ってきて早く仕事が終わる日もありました。10ヶ月で3週間半もらえたバカンスも、自分で日を決めて取らせてもらったり、仕事のない土日にどうしても面倒を見てほしいと言われた日は働いて、お給料を多くもらったり、ファミリーと話し合って調整しました。
【ファミリーについて】
私のホストファミリーは、パパが日本人とのハーフだった為、日本についてとても興味を持ってくれていました。日本人のオーペアしか探していなかったというところからも、それがよく伝わりますし、家の中にも日本のものがあり、日本の食べ物も好んで食べてくれていました。パリに行った時に、一度だけ納豆を買ってお土産に持って帰りましたが、それは食べませんでした。(笑)
両親どちらもジュネーブでフルタイムで働いており、平日に話をする時間はあまり持てませんでしたが、夜ご飯を食べている時にはたくさん会話をしました。土日には一緒にいる時間が多かった為、私の将来の相談に乗ってもらったり、日本とフランスの違いについて話したり、沢山話ができたのがよかったです。ホストパパは、バーベキューが好きで、私が好きな種類のソーセージをいつも多めに焼いてくれて、何か困ったことがあったときはいつも助けてくれました。ホストママとは、一緒にショッピングに行き、買い物をする時にこれが可愛いとか、似合うとか、一緒に選ぶのも楽しかったです。私が気に入った食事は、次作る時にレシピを教えてくれました。
子供達は、初めはフランス語ができない私に戸惑っていたようで、私がこのファミリーで初めてのオーペアだったこともあり、受け入れてくれているとは言えませんでした。私に喋りかけてきて、一緒に遊ぼうとたくさん近づいてきてくれましたが、泣く回数も、私に冷たい態度を取ることもありました。ですが、一緒にいる時間が増えると、私のことを家族のように、お姉ちゃんのように受け入れてくれて、«もも!一緒にこれしよう» «ももの隣がいい»と、懐いてくれました。まるで自分の本当の兄弟のようで、とても可愛かったです。出発前に3歳と5歳と聞き、子育て経験もない私にはとても難しいんじゃないか、と心配していましたが、幼さを感じさせないくらいしっかりしていて、特に5歳の子は自分でできることも沢山あった為、とても助かりましたし、他の子に比べてとてもやりやすかったんじゃないかと思います。
またファミリーのおじいちゃんやおばあちゃん、パパとママの兄弟も、私のことをとても受け入れてくれて、一緒にダンスに行ったり、フランス語を教えてくれたり、ギターやピアノを弾いたり、料理を作ったりして、優しくてとても温かい家族でした。
私のことを本当の家族のように迎え入れてくれて、仕事外の時間も、私を誘って色々なところに連れて行ってくれたり、一緒に映画を見たり、私がパリに旅行するときはいつも、パリに知り合いがたくさんいる為、その中で泊めてくれる家族を紹介してくれたり、移動手段を押さえるのも手伝ってくれたりしました。このファミリーで本当に良かったと、心から思います。
【フランス語について】
私は、大学で1年半ほどフランス語を勉強していましたが、フランスに着いた当初は、「ありがとう」と、「こんにちは」しか言えませんでした。ホストパパのおばあちゃんは、フランス人でありながら、日本への留学経験があったことから日本語がペラペラだった為、日本語を交えながら、フランス語の発音や、簡単な単語、会話など、初歩の部分を助けてくれました。
初めのホストファミリーとの会話は、私は英語もネイティブのように話せるわけではなく、パパは少し日本語ができたので、たまに日本語で、ほとんどは英語でしていました。
子供はフランス語のみしか話さない為、コミュニケーションにはとても困りましたが、おばあちゃんがいてくれて、手伝ってくれました。
語学学校へは、週2回、火曜日と木曜日に、9:00から12:00まで行っていました。
始まった頃はA1(1番下のクラス)でしたが、帰国する頃には、2つクラスが上がり、B1に合格するレベルまで上達しました。周りにはスペイン語やポルトガル語を話す子が多く、フランス語も同じラテン語から派生した言語である為、彼女たちの理解度はかなり高く、フランス語がわからなくても会話になると言っていました。日本人は全然違う言葉を喋るから、難しくても、上達が遅くても当たり前だと言われましたが、それが悔しくて、毎日沢山勉強をし、会話をし、その成果が結果に出たのだと思っています。
【オーペアの生活について】
オーペアの生活は、とても自由時間が多くあります。中高では部活、大学でもバイトと部活を掛け持ちし、私生活の時間がほとんどなかった私にとって、あまりにも自由時間が多い生活に最初は慣れませんでした。せっかくきた留学で、この自由時間をどう使うかが、充実度に関わってくると思います。
着いて2週間ほどは、私の学校が始まっていなかったこともあり、友達は0人でした。家族とずっと一緒にいて、パーティーや家族の外出に呼んでくれたことで、つたないフランス語でしたが、知らない人と会話する機会があり、そこで仲良くなった人とその友達を紹介してくれたりしました。
学校が始まってからは、オーペアで来ている人がほとんどだったこともあり、メキシコ、コロンビア、アメリカ、カナダ、ドイツ、ベトナムなど、様々な国籍の人と出会いました。日本人は私しかおらず、私にとってはラッキーな環境でした。初めに隣に座っていたコロンビア人と仲良くなり、その週末に一緒に外出しました。そこから輪が広がり、家のとても近くに住んでいるメキシコ人と仲良くなり、10ヶ月間ほとんど一緒にいました。
誕生日を祝ってパーティーをしたり、一緒に遠出したり、買い物に行ったり、一緒にフランス語を話す時間が沢山持てたのがよかったです。また、学校外にも輪が広がっていったことで、英語で会話をすることもあり、2つの言語を使える機会を作れました。
またジュネーブには国連の本部がある為、そこで行われるイベントに参加してみるなど、オーペア以外にも様々なことに挑戦できました。ホストママに誘われたボランティア活動にも何度か行ったり、交流会に参加したりなど、時間をうまく使えば他の人の何倍も経験ができると思います。
10か月の経験でしたが、私の人生で忘れられない経験がたくさんでき、将来のことも考える機会になりました。ファミリーがたくさん相談に乗ってくれて、アドバイスをくれたことも、新しい考え方をするきっかけになりました。
「留学をしたいけど、いきなり大学に通ったり、仕事をするのは不安が大きい」「費用が高くて留学に行けない」と、留学をためらっている人には、オーペアを「留学を経験してみる」きっかけとして、とてもお勧めします。私がオーペアを選んだのは、家族に溶け込んで生活できること、仕事も学校も体験できること、留学までの手続き等自分で管理することが増える分、留学に対して積極的に取り組めることなど、様々な理由がありましたが、私が日本で通っている大学にも留学制度がたくさんあるのに、あえてオーペアを選んだ理由の一つは、「留学を経験するきっかけにできる」ことにありました。
学生の方も、働いている方も、留学をしたい、海外で生活してみたい方は、その夢を諦めないで是非チャレンジしてほしいと思います。