フィンランド幼児教育視察ツアーレポート(11)

2019年5月の連休は、「幸福度ランキング1位 ムーミンの国フィンランドの幼児教育を学ぶツアー」でした!WAPJ社長のやっくんからのツアーレポートです!



◆2019年GW 幸福度ランキング1位 ムーミンの国フィンランドの幼児教育を学ぶツアー11◆ 2019年5月2日木曜日 午後 遊びの活動センター訪問



昼食後は、バスで遊びの活動センターへ。
遊びの活動センターは、音楽・劇・絵画といった芸術活動を中心とした遊びを提供するタンペレ市運営の開放保育の場で乳幼児を持つ多くの親たちに支持されている施設です。毎年8月からスタートをして翌年の5月に終わり、6月からは学童保育がスタートし給食もあります。日本の児童館とはまた違った施設で訪問では、子どもたちの活動を観察し、センター長からは活動に関する詳しいお話しもお伺いしました。



◆参加者のレポートはこちら
午後は、2歳から6歳の保育園に通わない子どもが利用する「遊びの活動センター(開放保育園)」を訪問しました。保育時間は1日3時間(午前か午後を選択)朝9時から12時のグループまたは13時から16時のグループで最大週3日、無料で利用することができます。(金曜日は午前保育のみ)

弟や妹の育休中で親が家にいる家庭、親子の時間をなるべく多くとりたいと考える家庭、パートタイムや在宅勤務の家庭などが利用しています。
タンペレ市内には3つの遊びの活動センター(開放保育園)があり、それぞれ芸術、音楽、自然に特化した活動を行っています。今回訪れたセンターは「芸術」に特化しています。国で定められている幼児教育目標は全て「芸術」を通して学ぶように工夫されています。芸術を通して学ぶことで、個性を発揮できる、お互いの個性を認め合える、言語にハンディキャップを持った子どもも健常児と境なく活動でき、絵を通じて想いを表現できることで自信になるというメリットもあるとのことです。ここでのルールはただ1つ「相手の喜びを奪ってはいけない」、自分が嫌なら参加しなくてもよいから他の子の邪魔をしないということです。


また、毎週水曜はOPEN喫茶として親や卒園生、地域の方も活動に参加することができ、夏休みは小学2年生までを対象にした学童保育になり、12月は休園して地域の子どもたちと一緒にサンタの家作りと地域と密着した活動を行っています。



活動ではまず全員が集まり、子ども一人ひとりの名前を歌詞に入れて「来てくれてありがとう」の歌を歌ってから活動が始まります。その後、劇場の部屋へ移って、小鳥のさえずりのBGMが流れるステージ上でスポットライトに照らされながら登場したのはガラス窓。「皆さんは、ある暖かい春の日に窓から外を眺めています。何が見えますか?」と先生は優しく語りかけます。挙手して選ばれた子どもが一人ひとり前に出て来て、ステージ上のガラス窓に思い思いの絵を描いていきます。自分のイメージを表現する、けれど他の子が描いたものを邪魔しないように気をつけながら。出来上がったカラフルな春らしい絵を眺めながら、春と聞いて思い浮かぶものを今度は言葉で表現していきます。先生にその言葉を耳打ちすると、先生はノートに書き溜めます。



その後は、集まった単語を基に作った詩が朗読され、他の子のアイデアや音の響きを楽しんでいました。最後にアトリエに移動し、イメージが膨らんだそれぞれの「春」を一人ひとりが絵で表現して今日の活動は終了です。





 子どもたちがやりたいように、親が育てやすいように、先生たちが意欲的に働けるように(希望するまで先生の異動はなく、希望の内容の研修をアレンジしてくれる)、どの立場の人にも優しい環境が出来上がっていることが素晴らしいと感じました。